【憲法十七条の制定】 蘇我馬子と厩戸王(聖徳太子)の政治

国宝 三経院・西室 飛鳥時代
国宝 三経院・西室

豪族に天皇への帰属意識を自覚させるためのモラルの規範を定めた憲法17条を制定しました。多分1条はどこかで聞き覚えがあると思います。

現代にも通じる教えですので1つでも覚えてうんちくを友人に話してあげましょう。その際スルーされても、私は知りませんけど・・・(笑)

それから、本当は聖徳太子が書いたのではない説。仏教が一番いいよーって言ってるわけではなく仏教の良いところも取り入れ神道とともにいい国を気付いていきましょうねという教えだと思います。

憲法十七条の教え

地方豪族を天皇への帰属意識を持たせるために、世間一般の「守りましょうよ」というごく軽いルールをつくりあげました。

現代語訳のみ掲載してます。現代に通じるものがある憲法17条を解説していきます。

第1条 和を以て貴しとなす

和を大事にすること。世の中には上司や親に逆らったり、人間関係が上手くいかないこともある。

それでも、上下の身分に関係なくみんなで話し合えば、自然と物事は丸く収まる。調和をもってすれば、不可能なことなどありません。

今の世の中は自己中心的な考え方が増えてる中この1条はずしーんときますね。約1400年も前に考え出されたこの考え方を今の人たちも心に刻みなおしたいものですね。

第2条 三宝を敬へ

仏教を敬いなさい。仏教は、人生において最後の最後に頼れるものです。世の中捨てたもんじゃないですよ。

厩戸王と蘇我氏は仏教を熱く信仰していました。仏の教えに従い1条と合わせ技で世の中をまとめることが出来たら一番いいんでしょうね。今の時代なら様々な宗教がありますがこの時代は仏教が一番のトレンドだったんですね。

第3条 詔を承りては必ず謹(つつし)め

天皇の命令にはしっかりと従いなさい。

現代の会社組織にもあてはまるこの言葉、会社の同僚の多くに教えてあげたくなります(笑)上司部下ともに調和を取るには話し合いを活発に行うことが大切だと思っております。(なるようになれと思う人が多い現代において大切なことだと思います)

第4条 礼を以て本とせよ

礼儀を大切にせよ。

すべては挨拶に始まり、挨拶でおわりますよ。ってことですね。学校なら「おはよう」ではじまり「さようなら、また明日ね」で終わり。会社なら「おはようございます」ではじまり「お疲れ様でした」で終わる。簡単なようでいて中々できないことでもありますが、挨拶だけでもその場の雰囲気は変わるものです。元気な「おはよう」で力を貰えることもありますから。

第5条 饗を絶ち欲することを棄て、明に訴訟を弁めよ。

賄賂をやめ、民衆の訴えには、公明正大な裁きを行いましょう。

昔も今もやってることが変わりませんね(笑)

第6条 悪しきを懲らし善(ほまれ)を勧むる

どんな些細でも良いことは褒め。悪い習慣は必ずやめさせること。

どんな些細でも良いことは褒め。悪い習慣は必ずやめさせること。というのは分かっていても中々できるものではありませんね。まずは身近なところから正しいことをしたら褒めてみるを実践してみたらいかがでしょうか?

第7条 七に曰く、人各(おのおの)任(よさ)有り

適材適所

人には得手不得手があるので、適材適所で上手く配置するのも組織人たる心得であると思いますが、そうはいかないのが現代社会であります。昔も今もかわりないんですねぇ。

第8条  群卿百寮、早朝晏(おそく)退でよ

朝早く来て働き、夕は遅くまでがんばろう。

仕事はそんなに甘いものではありませんよ。1万円稼ぐのにどれだけの思いをして仕事に励むか?楽して稼いでも後からろくなことにはならないってことでしょうか?しかし、現代においては正直者が馬鹿を見ることもままあるので程々にね(笑)

第9条 信は是義の本なり

嘘はついてはいけないよ。

築いてきた信頼を秒で失う行為が「嘘」だとおもいます。優しい嘘は必要かもしれませんが、会社人にとっては「正直」でありたいですね。

第10条 忿(こころのいかり)を絶ち

怒りを抑えなさい。

感情に任せて怒りをぶちまけるよりも、いったん冷静に相手の言い分も聞き分けたほうがお互いにいいことがありますよ。って事ですが、私は怒りに任せ会社人でもワーッとやったことがあります(;^_^A  いいことで無いことは承知の上でしたが上司がわりと冷静なタイプでたすかりました。怒りで問題が解決することは少ないとおもいます。

第11条 功と過を明らかに察て、賞罰を必ず当てよ

賞罰は公正にしましょう。

しっかりと見極めた上で適した賞罰を与えましょうという事ですが、皆さんのご家庭ではどうでしょうか?優しい嘘をついた旦那さまや奥様にプレゼントやねぎらいの言葉をかけてますかぁ?また、これはないだろうも、10条の怒りを抑えて話し合いで解決しましょうねぇ。

第12条 国に二君非(な)く、民に両主無し

税の中間搾取はやめましょう。

下請け会社や孫請け会社の中間搾取はやめてー。正直に一生懸命働いてもこれをやられたら、現場の人間は悲しくなります。親会社が楽してるとは思いませんが、きちんとした賃金で働きたいものです、聖徳太子の時代でも現代の中間搾取と同じことがされていたんですねぇ。

第13条 諸の官に任せる者は、同じく職掌を知れ

上司は部下に任せる仕事を掌握しておきなさい。

私がよく言ってきたのが「休みの者が出てもみんなが仕事ができるよう。ほかの担当の仕事もわかるようにしましょう」という提案でした。却下されましたが…。これって会社の利益になると思いません?(笑)

第14条 群臣百寮、嫉み妬むこと有ること無かれ

嫉妬心をもってはならない。

あれいいな、これいいなと言ってる限り前向きに進んでいくことができなくなります。嫉妬心ではなく「目標」ってとらえられるといいですよねぇ。

第15条 私を背きて公に向くは、是臣が道なり

国の事を思い、私利私欲にはしらないこと。

欲が強くなると悪いことまで手をだしたくなるもんです。欲ばってないという人は大抵欲張りです(笑)

第16条 民を使うに時を以てするは、古の良き典なり

民衆を使うときは時期を見計らいましょう。

稲の刈り入れ時に民を使ってしまったら、ごはん食べられませんよって事です。何事も時期を見て適正な時に仕事をさせましょう。って事でしょうが、ご飯食べながら仕事に追われる事もあり理不尽ですよねぇ…(笑)

第17条 夫れ事独り断むべからず

大事なことは一人では決めないで、必ず皆と相談しなさい。

第1条に通じるものがあり、聖徳太子は一貫して調和を大切に考えていたんですね。相当なカリスマ的存在のワンマン経営者以外はトップダウンでやるとろくなことにはならなくなりますねぇ。

まとめ

憲法十七条は現代でも通じるものが多く、改めて考えさせられる。今も昔も何も変わってないというのもなにか悲しく寂しいものがある感じも否めない。全然進歩してないぞ人間(笑)

憲法十七条は聖徳太子が作ったのでは無いという説もあります。

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