岡山城と岡山後楽園について

宇喜多秀家像(岡山城蔵)
- 岡山城は、1590年(天正18年)~1597年(慶長2年)の、8年間をかけて、備前(現在の岡山県南東部)の武将・大名「宇喜多秀家」によって築城されました。
壁には黒漆が塗られ、まるで烏の羽のようにみえることから、烏城の別名で呼ばれる日本100名城の一つです。 - 岡山後楽園は岡山城から旭川をはさんだ対岸にあり、後の岡山藩主「池田綱政」が、1687年(貞享4年)~1700年(元禄13年)の14年もかけて造った庭園です。水戸偕楽園、金沢兼六園と、ここ岡山後楽園は、日本三名園と呼ばれています。
注:後楽園は東京などにもありますので「岡山後楽園」と表記します。
路面電車でGO!!

岡電7500形(左:正面、右:車内)
岡山駅から岡山城へは、歩いても行けそうな距離なのですが、せっかくなので岡山電気軌道(通称おかでん)の路面電車で行きました。時々すれ違う車両はどれも個性的でしたが、私が乗った車両はわりと普通(ちょっと損した気分!?)
大通りを直進すること900m、乗ってる時間にして4分ほどで、最寄の電停「城下」に到着しました。待ち時間のほうが長かったのでは?という気もしなくもないですが、記念ということで(笑)

旭川と岡山城
岡電を降りて、穏やかな流れの「旭川」沿いを歩いていくと、遠くに「岡山城」が見えてきました。噂通り黒くてかっこいい!左手に見える「月見橋」を渡ると後楽園にいけるようです。
この日は天気が良かったので、釣りをしている人や、アヒルボートに乗ってデートをしているカップルもいました。途中「謎のアイス売り」の若者に声をかけられたのですが、丁重にお断りしました。
路面電車(岡電)で行った場合:
合計13分ほどです(電車の待ち時間のぞく)
JR岡山駅~岡山駅前(電停) 徒歩1分
岡山駅前(電停)~城下(電停)岡電で4分
城下(電停)~岡山城 徒歩で8分
全て徒歩の場合:
JR岡山駅~岡山城の距離は1.5kmですので、20分ちょっとでしょうか。
岡山城見学
岡山城到着

戦争で焼失したため、復元されたお城ですから、若干綺麗すぎな印象は受けました。
私は、城と後楽園の共通入場券(560円)を購入。地階には、コインロッカー(使用時に100円を入れて使用後に戻るタイプ)があるので、荷物を預けて置くと見学が楽になります。
受付ではエレベータで上階まで行って、階段で降りてくるルートをおすすめされましたので、素直に従って見学しました。
城を彩る建材 鯱と軒丸瓦

鯱瓦(左:金の鯱 右:当時の遺物)
金の鯱と黒い鯱
「あなたが落としたのは、この金の鯱ですか?それともこの黒い鯱ですか?」秀家は素直に言ったので・・・。
なんて話は当然なく、黒い方が当時の遺物です。顔の部分が欠損していますね。金色のほうは復元されたものです。
鯱といえば名古屋城や大阪城が有名ですが、城主の宇喜多秀家は豊臣秀吉の猶子(=家督権のない養子のような関係)でしたので、飾ることを許されたようです。宇喜多秀家の「秀」の字は、元服のときに秀吉から授かったそうです。

軒丸瓦(左:五七桐紋 右:揚羽蝶紋)
軒丸瓦 二つの家紋
右の軒丸瓦は建設当時(1597年)の遺物で、「五七桐紋」が施されています(テレビでよく見る日本政府の紋章ですね)豊臣秀吉から賜ったものです。金箔が張られていたので、黒壁に映えたと思います。
左は後の(1613年)岡山藩主池田家の「揚羽蝶紋」です。こちらもなかなか風流な家紋ですね。蝶は幸せを運んでくるので、縁起が良いとされたそうです。
武具の展示 火縄銃 日本刀 甲冑

展示してある火縄銃は、想像よりはるかに大きいものでした。上階には重さを体験できるコーナーがあり、実際の重さを感じられます。
今でも、「岡山城鉄砲隊」という会があり、各地で古式砲術の演武を披露しているそうです。2018年には城前の広場で「宇喜多秀家☆フェス」が行われました。「つのだ☆ひろ」のような、真ん中の☆が付いたネーミングに反応してしまう(笑)

拡大写真「雲生」の銘
刀や甲冑も展示していますが、私は「太刀 銘 雲生」に惹かれました。雲生は、鎌倉時代末期の刀工で、後醍醐天皇の御用鍛冶の雲類派の始祖といわれています。
今回は時間に余裕がなくて行きませんでしたが、刀剣類を本格的に見るのであれば、隣接する「林原美術館」も行ってみたいですね。城、後楽園、美術館の共通入場券(960円)も売っています。
初代城主の「宇喜多秀家」の復元甲冑が、地元岡山出身のイラストレーター「正子公也」氏のイラストと共に紹介されています。後の城主、小早川秀秋、池田輝政の紹介もあります。実際に確かめてみてください。
横のロゴは本当に光っていてとても厨二っぽいカッコいい!!
このコーナー2018年に展示をリニューアルしたばかりだそうで、他にもお城にまつわるエピソードなども展示しています。
前田利家からの書状

真っ黒で良くわからないので見やすいように独自に加工したのがこちら↓宇喜多秀家は、あの槍の又左と恐れられた前田利家の四女で(かつ豊臣秀吉の養女の)「豪姫」を正室に迎えています。つまり利家は秀家の義父となります。この手紙は、娘夫婦に子供が生まれたので、利家がお祝いを書いたものです。
内容はたぶんこんな感じ(超現代風意訳)
秀家くんへ
祝 男の子の誕生おめ~♪
秀高って名前いいと思うよ!(同じひでくんだね!)
記念に出世槍と守り刀をあげるね。
祝と願の手紙も付けたから大切にしてよね!
追伸 名前は浮田から宇喜多に変えたらイイとおもうよ!
1951年 お正月 利家おじさんより
天守閣からの眺め

南方への眺めですので、奥の建物は岡山県庁、手前が県立図書館。丘の上にありますから、遠くまで良く見えますね~。
実は高い所が苦手のため、あまり写真がありません。
最上階6階からの眺めは実際に行ってみてくださいね。
その他の情報

備前焼体験ができる工房(別料金1230円が必要)や、土産品の売店もあります。
歴史番組に良く出ている「磯田道史」氏によるガイド映像もありこちらも必見です。
日本三名園 岡山後楽園を散策
別世界が広がる大庭園

当時、後楽園を造った「池田綱政」も金色の服を着て鯉に餌をあげたりしていたのでしょうか。もっとも、綱政の頃には江戸幕府が開かれ、戦さの時代も終わっていますから、風流な庭園を造っていけたのでしょうね。
園内は綺麗に整備されていて、植木なども手入れが行き届いています。
園周辺は木々で囲ってあるので、まるで別世界にきたように錯覚します。趣のある日本家屋がたくさんあります。抹茶を頂ける茶室や、お茶を振舞っている休憩所がありました。
唯心山からの眺め
池田綱政の子「継正」が作った「唯心山」からの景色です。
この日は天気にも恵まれたので、気持ちの良い風景を堪能できました。
残念ながら帰りの新幹線の時間が迫っていたので、駆け足で見て回りましたが、今度来たときは時間をかけてゆっくり散策したいと思います。
まとめ

特に2018年にリニューアルした、正子氏のイラストと磯田氏の解説は必見です。
家族や友人と行く方は、着付体験コーナーでの記念写真が盛り上がること間違いなし!
・岡山後楽園は時間をかけてまわるべし!
広大な庭園をみてまわるには、2時間以上は必要と感じました。
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