今回は、群馬県屈指(関東屈指かも!?)のパワースポットして知られる「榛名神社」のご紹介です。
用明天皇の時代、586年に創建と伝えられ、927年に編纂された「延喜式神名帳」にも載る歴史ある神社です。本社・幣殿・拝殿、国祖社・額殿、神楽殿、双龍門、神幸殿、随神門の6棟は、いずれも江戸時代、200年前の建築物です。
拝殿までの道のりは700mほど、参道は立派な木々に囲まれていて、榛名湖から流れる清流「榛名川」沿いに続いています。苔むした石の参道を歩いていくと、徐々に身も心も清められる気がします。途中階段もありますが、手水舎のある広場までは、ゆるやかな坂道です。
道中には、奇岩、滝、朱塗りの橋、三重の塔、七福神の像などがあります。特に国の重要文化財に指定されている、数々の建築物は必見です。細部までゆっくり見ながら行くのもよし、帰りにみていくのもよしといった感じです。
本殿のある頂上の御姿岩には圧倒されること間違いありません。
主祭神・合祀
主祭神 火産霊神・埴山姫
(別名:【紀】軻遇突智、【記】火之夜藝速男神、火之炫毘古神、火之迦具土神)
伊邪那美神の生んだ火の神。
【古事記より】火の神を生んだときに大火傷負った伊邪那美神は病床に臥せ、やがて神避る。怒りのあまり伊邪那岐が十挙剣「天之尾羽張」で火之迦具土神を斬ると、
剣の先の血からは、岩拆神、根拆神、岩筒之男神の三柱。
剣の元の血からは、甕速日神、樋速日神、建御雷之男神の三柱。
剣の柄の血からは、闇淤加美神、闇御津羽神の二柱。
身体からは、正鹿山津見神、淤縢山津見神、奥山津見神、闇山津見神、志藝山津見神、羽山津見神、原山津見神、戸山津見神の八柱が生まれた。
(別名:【記】波邇夜須毘賣神)
病床の伊邪那美の便から生まれた土の神。
陶磁、造園・土木や農業など土を司る女神。
埴輪の「ハニ」に通じる。
合祀 水分神・高靇神・闇靇神・大山祇神・大物主神・木花開耶姫
高靇神・闇靇神:雨を司る竜神
大山祇神:山を司る神。水の神、田の神
大物主神:出雲系の国造りの神。農・工・商業、方除、交通・航海、縁結び、医薬、酒造りの神
木花開耶姫:安産、子育て、酒の女神
社格
延喜式神名帳 式内社(小)
上野国六宮
旧県社
榛名神社の歴史
伝 承
綏靖天皇の時代(紀元前581~549年)に饒速日命の子、可美真手命父子が山中に神籬を立て天神地祇を祀ったのが始まりといわれている。586年(用明天皇元年)に祭祀の場が創建。
記 録
927年(延長5年)完成の延喜式神名帳に上野国十二社として位置づけられている。
神仏習合
古くから神仏習合が定着し、山中には九世紀ごろの僧坊とされる巌山遺跡がある。南北朝時代(1336年~1392年)ごろから上野寛永寺の下に属し、高崎市中里見町の里見山阿弥陀院光明寺から別当(寺務を統括する長官に相当する僧職)が派遣された。近世は東叡山輪王寺宮兼帯所となり、榛名山巌殿寺・満行宮と称していた。明治の神仏分離により仏教色が廃され、元の榛名神社の社号に復した。
見どころ
随神門
鳥居をくぐり橋を渡るとすぐにあるのが、「随神門」です。
随神門とは、神域に邪悪なものが入り来るのを防ぐ御門の神をまつる門のことです。入母屋造で瓦棒銅板葺きの八脚門で、弘化4年(1847年)に建てられました。
千本杉
参道に入ると、立派な杉の木が沢山あります。この一帯には、樹齢百年から四百年の杉が千本余あるので、千本杉と称されるそうです。
鞍掛岩
鞍掛岩は、随神門をくぐりみそぎ橋を渡った右手の、対岸にある岩です。石橋の様な形をしています。高崎市の名勝指定を受けています。
水神楽
お土産を売っている「みそぎ屋」さんの前には、水神楽(水琴窟)があり、涼しげな音を楽しめます。二人で同時に聴けることからか、縁結びとしても知られています。
三重塔
参道なかほどに行くと三重塔が見えてきます。朱塗りが鮮やか。
神仏習合の名残を留める建造物で、現在は神宝殿とも呼ばれています。
世界のはじまりの時代。創生の神「別天神」が祀られています。
【記】天之御中主神 高天原に誕生した最初の神。妙見菩薩とも。
【記】高御産巣日神
【記】神産巣日神
【記】宇摩志阿斯訶備比古遅神
【記】天之常立神
瓶子の滝
手水舎(屋)の目の前、対岸にあるのが、瓶子
瓶子の滝の名は、意外なことに、滝の両脇の岩を瓶子岩と呼んでいたことから、名付けられたそうです。
神にお供えするお神酒を入れる器のことを瓶子
九折岩

写真:kawa*******mu様 無料写真素材なら【写真AC】
参拝したときには、気づかず写真がなかったので、写真ACさんから。
九折岩
双龍門
社務所の前の休憩所から階段を登った先に、双龍門
1855年(安政2年)の建立で、入母屋造銅板葺きの四脚門。
竜の彫刻や水墨画が施されていることから双龍門と呼ばれるようになったそうです。国の重要文化財に指定。
神楽殿

写真:kawa*******mu様 無料写真素材なら【写真AC】
双龍門を抜けさらに階段を登ると、正面に神楽殿
2月15日の御神楽始祭
5月5日の端午祭
5月8日の神幸祭
ちなみに神楽殿の下では、おみくじがひけます。
私は、刀(厄除)が当たました(ずっとお財布にしまっています)
国祖社および額殿

写真:kawa*******mu様 無料写真素材なら【写真AC】
神楽殿のとなり、本殿に向かって左手にあるのが、国祖社と額殿です。
国祖社(右)は、もとは勝軍地蔵と阿弥陀仏を安置していたお堂で、1716~1735年(享保年間)の建築。
接続する額殿(左)は1814年(文化11年)の建築。本来は神楽拝観所だったのだとか。確かにこの位置からなら見やすそうですね。
豊城入彦命
彦狭島命
御諸別命
本殿・幣殿・拝殿
こちらが、拝殿です。
1806年(文化3年)の建立され、春日造本殿と入母屋造拝殿を幣殿でつなぐ複合社殿です。屋根は銅板葺きで、各所に華やかな彩色・彫刻を施してあります。
この日は、霧が立ちこめてきて非常に神秘的な雰囲気でした。
御姿岩
御姿岩
見上げる高さに、巨大な岩が絶妙のバランスで乗る姿は、圧倒されます。荒々しい御姿岩をみると、山の力を強く感じます。
古くこの地に住む人々は、「荒ぶる山への畏れと恵みへの感謝」が信仰となり、祈りを捧げてきたのだと感じました。
御朱印
御朱印は、拝殿のある横の社務所で頂けます。
七福神と碑
参道には、七福神がいらっしゃいます。
最初の毘沙門天は、随神門の右手にいるので見逃しがちです。
ほかにもトマトの碑、髪の碑、天狗の銅像なんかもあります。
アクセス
バスの場合
JR高崎駅西口の群馬バス2番のりばから「榛名湖行き」
「榛名神社」バス停下車(所要時間は1時間10分ほど)
だいたい1時間に一本くらい出てます。
運賃は、大人1,120円です(令和元年10月現在)
日帰りで榛名湖や伊香保温泉まで行くなら、フリーパスがお得です。
車の場合
関越自動車道 高崎インターチェンジから、約1時間です。
(前橋インターチェンジからでも同じくらい)
榛名神社参拝者の無料駐車場があります。
地図の南側ルートが、比較的運転しやすいと思います。
榛名神社との縁
榛名神社との縁
20年ほど前になりますが、私が幹事の社員旅行で群馬に行った際に参拝しました(当時イニシャルDが好きだったという理由でした)
それから、ずいぶん経って数年前。友人たちと偶然伊香保温泉に行くことになり参拝したのですが、以前にいったことがあるのを、すっかり忘れていて、入口に着いた瞬間に思い出しました。
最近になって、不思議な縁を感じて行ってきました。
行くたびに、独特の厳かな雰囲気の参道と御姿岩に圧倒されています。
榛名の龍神様に呼ばれている。そんな気がするのでした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ささやかな、お礼に他サイトで見たことのない情報を。
本殿裏から川辺に降りられるのですが、龍がほられた大岩がひっそりとあります(案内看板や立入禁止の標識もありません)
龍神様が祀られているのかも・・・!?
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